『ある日の日常〜誕生日編〜』


「カイルさん、誕生日おめでとうございます〜♪」
「わ、えっと…ありがとう?;」

カイルは困っていた。
普通に誕生日を祝われたならば、疑問系なしで礼を言っただろうが…少年から『今』、誕生日を祝われるというのは問題があった。
それもその筈…今時刻は9時を回っており、高校生がマクドール邸の前にいる事はおかしいのだ。

「…カナタ、学校は??;」
「遅刻です〜♪愛の為に!」

堂々と断言した。

「ええっ!;」
「あv大丈夫です!すぐに行きますから〜♪おめでとうございます〜☆」
「ありがとうっ…;でも、いいから早く…」

「?何かあっ―――カナタ君、」

「はっ!!;」

不意に(…というか家の前で騒いでいては、気付かれるのも当然…)現れたユーリグさんの姿に、カナタが硬直した。
そして、すぐさま逃げ出す。

「ぎゃーーーー!!;ごめんなさいですー!;すぐ学校行きますーー!!;――――あ!カイルさんこれ…!」
「え?」

逃げるように駆け去る少年から、ぽーんと丸いものが放られた。

「………卵??」
「育ったらユーリグさんとかケイさんにも分けてあげてください〜!お誕生日おめでとうございますーーー!!」
「ありがとう…!;(でも、卵を??)」

カナタから受け取ったものは、白く楕円形に丸いもので、どう見ても卵にしか見えないものだった…。
カイルは首を傾げながらも、微笑ましそうにカナタを見送るとそれをポケットへ入れた。

「…カイルさん?」
「えっと…!;」

…その後、ユーリグさんへのフォローが大変だった事は言うまでもない。

 

 

<おまけ>

そしてその夜、カイルがプレゼントの卵をよくよく眺めてみると…

「…あ!」

(―――栽培セット…)

卵のカラを上の部分だけ外し、カイルは照れたように小さく笑った。
その日からカイルの部屋では、小さなワイルドストロベリーの苗が育てられることとなった。