その56(正月くらいにアップしようと思っていた代物。)
「こんにちはー?」
「誰もいないのかな?」ピンポーンと呼び鈴を鳴らし、トントンと戸を叩いても誰も出てこない隣家。
お参りにでも行っているのかな?と思いつつ、新年のご挨拶に、とお節のお裾分けを持ってきたカイルとルレンさんはデュナン家の前で立ち尽くしていた。「電話にも出ない…;」
「昨日ハズミ、今日はいるって言ってたのに」
「っ間に合った! ―――2人とも、2人だけだと危ない…って、お留守なんですか?」慌てて後を追いかけてきたユーリグさん。
2人がまだ隣家へ入っていなかったことにほっと安堵するのも束の間、お隣が留守であることに小さくガッツポーズをとった。「うん、そうみたい。―――あれ?」
きちんと閉まっていなかったのか、ドアが小さく開いていた。
「カギが開いてる…」
「まだ寝てるんでしょうか…?」そっとドアを開け、そこから中へ呼びかける。…が、小さな呻き声が聞こえるばかりで、返事はない。
「靴もあるし…人の気配もするね」
「まさか…集団食中毒か何かで倒れて…?」あわわわわわ!と慌てる兄と弟の姿に、ユーリグさんは一息吐いて、覚悟を決めた。
「――お邪魔しますよ」
グッとドアを押し開き、靴を脱いでそう広くもないデュナン家に上がり、居間へ向かうと―――
「うわぁ…;」
「ユーリグ、どうしたの」
「大丈夫ですか?」目の前に広がる惨状に、ユーリグさんが声をあげると、2人も急いで駆け寄った。―――そして…
「「うわぁ…」」
パン1で床に撃沈している5つ子の姿がそこにあった。
「風邪引いちゃうんじゃ…?;」
「これ…お酒の臭い?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜とりあえず、お水を飲ませましょう。」帰りましょう。と、喉の奥まで出かけたユーリグさんだったが、何とかそれを飲み込んでそう提案した。
その57(↑何があったか)
「新年の朝だって言うのに…相変わらず我が家は全員揃いませんよー!」
「全員揃ったのって、何年前だっけ?;」
「今年はアオイ兄とユイ兄もいないしね〜;」大晦日から二年参りか何かに出かけている為、今年は総勢5名での新年を迎えることになった。ちなみに両親は当然のごとく帰宅していない。(年賀状は届いた為、元気なことは元気なようだ)
「まあ、今年はハズミとレンが拉致られてないだけマシかー」
「お節食べられませんもんね。」
「うんうん。」
「そう思うんなら、運ぶのくらい手伝いなさいなコラー」
「新年早々飯抜きにしますよ?」そう言われ素早くコタツを陣取っていた3人は、各自コップやお茶や雑煮、箸等々、必要な物を取りに走った。
「あ。」
そんな中、リク君がお歳暮か何かで酒瓶が届いていたことを思い出した。
「…せっかくだし、上2人いないことだし…飲んじゃおっか。」
お正月だし!と酒瓶の入った箱を引きずった。
「それじゃあ乾杯ー☆」
「それ新年の挨拶かなぁ?;」ご機嫌なハズミ君を前に、「未成年の飲酒は…」と呟いていたレン君も黙認することになった。ちなみに、ハズミ君とリク君の両名は祝い酒祝い酒!と聞く耳もなかったりする。
「まあお正月ですからね、祝いの席でちょこっと口にするくらいなら大丈夫ですよ!」
「ちょっとでないから言ってるんですけどね…」
「箱ごと持ってくるなんて…; あ、ジュースとかもある?」それに興味を持って、カナタとナナト君は瓶を引っ張り出す。
「お。柚子ジュースっぽいの発見ですよ。開けちゃいますかー」
「うん」
「雑煮の追加いる人いますか?纏めてお餅入れますんで」
「「「「はーい」」」」全員の挙手にレン君がやれやれと台所に消える。
「しっかし、良いお酒だね〜ちょっときついのに飲みやすいし。」
「だねー。あ、コレ度数30だって」
「ふーん」ごとん。
「「ん?」」
「あーナナトさん大丈夫ですか〜?」何故かナナト君が倒れている。
「しょうがないですねー脱がせますかー」
「「ちょっと待った!!;」」なんでそうなる!と突っ込んだ2人は、ナナト君の顔が真っ赤になってどうにも酔っぱらっているらしいのがわかった。
「あ!;何ナナトも飲んじゃったの!?」
「柚子ジュースですよ、柚子ジュース。うえぃ〜」
「カナタも酔ってる!?…って、コレ柚子酒だよ!!」アルコール度数30度の柚子酒を、コップ1杯一気飲みすれば、弱い者はそれは倒れるだろう。
「まあ気にせず楽しみましょう!」
「脱ぐな脱がすな!;」
「何の騒ぎですか?」雑煮をお盆に乗せたレン君が戻ったのにほっとしたのも束の間―――
ギラリッ☆と目を光らせたカナタが、レン君の口に酒瓶を突っ込んだのだ。
角度が良かったのか何なのか、両手が塞がっていたレン君は抵抗できぬままに、グビッと酒を嚥下してしまい…ズシャアッとその場に崩れ落ちた。(※空きっ腹にアルコールは非常に危険です。良い子は飲酒は二十歳になってから☆)「わーー!!レンんんんんんんっっ!?;」
「何これ!;まさかレンが倒されるなんて…酔っ払い最強!?;」ギリギリ雑煮は落下前にキャッチ出来たものの、床に崩れ落ちたレン君までは救助出来なかった。
「とりあえず、2人目です。いえい。」
「レンまで剥ぐな! 後でどうなっても僕ぁ知らないからな!;」
「いや、ていうかハズミ…なんかカウント始めてるんだけど、もしかして…」酒瓶を片手にカナタが躍りかかってきた…。
阿鼻叫喚の図になったのも数分…、たんこぶを作った2人もパン1で床に並ぶことになった…。
その58(↑蛇足)
「頭、痛ぁー…カナタ、あんにゃろめ…っ」
「ハズミ、大丈夫?」
「うわあっ!!ルレンさん!?…あいたたたたっ;」
「ユーリグさんが見える…良い初夢だ〜…」
「意識が戻ったならとっとと服を着て下さい」ビシリと冷たい言葉で切り捨てられ、元々酔った訳でなく揉みあった末に物理的に気絶した(させられた)2人はハッと意識を取り戻した。
「いやもうなんていうか、お見苦しい所をお見せして!;」
「全くです。…どうしてパンツ1枚なんて姿になっているんですか」
「その、ちょっと酔っ払いが暴れまして…」「うひっく〜」
肝心の当人はむにゃむにゃといい感じに寝ている。
「カナタとナナト君とレン君はお水がいりますね…;」
「へっぷ。…うにょら〜…」むにゃむにゃ言っているカナタはともかく、残る2名の顔は真っ赤なので危ないと言えば危ない。
「ルレン兄さん、カイルさんと一緒にお水を入れてきてもらえますか?後、氷嚢も探してきて欲しいんですけど…」
「うんっ」
「はい」申し訳なさそうに言うユーリグさんに、人の家で氷嚢を探し当てるのは難しいと疑問を感じたのだったが…
「―――さて、…どうして未成年が家で飲酒してるのか、じっくり聞かせてもらいましょうか?」
「「あ;」」
こうしてデュナン家では飲酒禁止になったという。(※いつ初飲酒したか決まったら修正するかもです。後、ユーリグさんも飲酒を注意する程厳しくないかな?と思いつつも、倒れる程飲むのは注意するかも!って感じで…?)
その59
「おやつ買ってくるけど…ついでに何かリクエストある?」
以前にも同じような会話をしたリク君は、多少の警戒を持ってそう尋ねてみた。
「ポテトーコンソメでよろしく〜」
「じゃあ何かチョコ系お願い」
「それより、お茶パックが切れてたんでそれお願いしていいですか?」
「了解〜…で、カナタは?」
「じゃあおしるこクッキーで☆」………。
「…おしることクッキーだよね?」
「いえ、違いますよ――あっ!間違えました!」
「だよね!!;」良かったー!また変な物頼まれなくて!とリク君が安堵したのも束の間…
「おしるこサンドでした♪よろしくですー」
「ああ、アレ美味しいよね。」
「ちなみに、ミニパックでよろしくです☆」
「だから何それーーッッ!?;サンドイッチ!?ハンバーガー!?」リク君の苦労は続く…。
(始めに名称聞いた時、なんだそれ!?と思ったシリーズその2>笑
せっかくパン1話では扱いが酷くなかったのに、こんな話に…リク君ごめんなさいorz )
その60(なんとなく、ここだけ思いついた修学旅行ネタ)
「奈良の大仏の鼻の穴と同じサイズの柱の穴…!誰か挑戦しませんか!?」
「しないよ!;」
「小学生ならまだしも、この年じゃ入らないっての…;」そんな訳で、奈良観光である。
「うわーホントに鹿がいるんだ〜」
「あっシカせんべい売ってますよ〜!」
「パンフに、奈良の鹿はせんべいをあげると、おじぎしますって書いてありますよ」
「へ〜じゃあちょっと僕やってみようかな」
「僕も!」
「ナナトさん1枚分けてくれますか〜?」
「いいよ」リク君とナナト君がせんべいを購入する。…カナタも自分で購入すべきだろう。
「わ〜ホントにぺこってするねー」
「コツはあげる前に、ちょっと上に持ち上げるって感じですねー」もぐもぐとせんべいを食べる鹿は、割と人馴れしているようだ。
しかし…「わー!;なんかせんべい買ったら鹿がいっぱい寄ってきたー!!;」
「リクー!?」
「ええと…『奈良の牡鹿は安全の為、角を切ってあります』?」
「切断から逃れたでっかい牡鹿がリクさんの後を追っかけてますね〜」
「ええっと…面白いから、アオイちゃんに動画送っちゃお?」
「いいから助けてよー!?;」
「せんべいを手から離せばいいんですよ。」リク君は、1クラスに1人は出る、鹿に追いかけられる生徒に認定された。
(実話をちょこっと混ぜてます。角切断から逃れた牡鹿が背後に立っていたのは、私の実話ですw
せんべいはカツアゲにあいましたが、意地でもおじぎはさせましたww
…てか、リク君ばっか不運ネタさせてすみません…>土下座 )